【決定的な一言】からの続きです。
翔太の家に荷物を取りに行くと、玄関にはあ~ちゃんの靴がありました。
いたたまれなかった翔太はあ~ちゃんを呼んでいました。
わたしにとっても、翔太は絶対に失くせない存在だったけれど、
それは翔太にとっても同じでした。
あ~ちゃんのことが好きだけれど、わたしのことは決して嫌いになったわけじゃない。
むしろ、居れるものならこの先も一緒にいたかったのです。
友達との関係もどうなるのか。
グループ交際でみんなで仲良くしていて、将来的にはみんなの子どもも交えて
遊ぶことが夢だった翔太。
それは叶わないことになってしまった。
翔太のこともあ~ちゃんのことも、みんな(女子メンバー)は
受け入れてくれないのはわかっていたから。
翔太は築いてきた信頼関係や友達や彼女や、
すべてを捨ててあ~ちゃんと歩いていくことを選んだのです。
選んでしまったのです。
翔太の家から帰るとき、やっぱり引きとめて欲しくて、翔太の腕をつかんだ。
そしたら、翔太はそのわたしの手を思いっきり振り払いました。
とんでもない顔をしてたんだと思う、わたし。
だけど、彼は続けた。
「もう玲菜のことは好きじゃないから。」
泣きながら夜道を帰りました。
ひたすら涙が止まらなかった。
ツライとか悲しいとか、そんな言葉じゃ到底表現できないほどの感情が押し寄せていました。
だけど、家に着いてから1秒だけの着信がありました。
翔太からの。
彼なりの最後のメッセージだったんだと思う。
もう、わたしとは終わると決めたから。
話すこともできない。
想いやってあげることもできない。
さっきのは本意じゃない。
不本意だよ。
違うんだよ。
でも、そうするしかなかったんだ。
ごめんね。
ごめん。
本当にごめん・・・・。
そんな翔太の気持ちが痛いくらいにわかった。
鳴ることもなかったたった1秒の着信・・・。
【最後の電話】へ続く。
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