【あわや修羅場になるところだった】からの続きです。
翔太に「浮気している」と告白されたから、頭が真っ白になってしまいましたが
翔太と別れることだけは考えられませんでした。
だから、わたしは1歩も引きませんでした。
別れることになるまでの約1ヶ月間は、「(これからも)玲菜と一緒にいる」と言ったり
「(これからは)あ~ちゃんと一緒にいる」と言ったり、事態は常に二転三転していました。
だけど、あ~ちゃんを選ぶという発言をしても、翔太は決定的な一言を言わなかったのです。
「合い鍵を返して」という一言。
これを言わない限り、わたしと別れる決心はついていないんだと感じていました。
そして、ようやく「あ~ちゃんとは縁を切る」と翔太は決意し、
年末もわたしと過ごしました。
新年を迎えて、「今年結婚しよう」と指輪を渡されました。(高いものじゃありませんが。)
こんなことがなければ、クリスマスにプロポーズと共にもらっていたはずの指輪。
けれど、翔太の心にはあ~ちゃんしかいなかったことは、わたしもわかっていました。
翔太ははっきりと言っていました。
「今は玲菜よりあ~ちゃんの方が好き。でも結婚は玲菜としたい。」
言ってること、はちゃめちゃだけど、正直な気持ちだったようです。
そしてその数日後。
翔太とあ~ちゃんが別れてから初めて会う出勤日の夜。
仕事から帰ってきた翔太からのメールには。。
「つらすぎる」とありました。
それを見たときに、わたしはもう無理だなと思いました。
翔太とあ~ちゃんは小さな職場で一緒に働いている仲間。
会話をしなくちゃ仕事はできないから、自然と会話は生まれてしまう。
目を合わさないように、会話をしないように、なんてできる職場ではなかったのです。
お互いに強烈に惹かれ合っているのに、その想いは叶うことがない。
想えば想うほど、離れなくちゃいけなければいけないほど、
残酷な気持ちが増していくのです。
縁を切るといっても、別れるとは言っても。
ほぼ毎日会わなくちゃいけない。8時間ほども。
わたしとこれから付き合って結婚したとしても
結ばれなかったからこそ、2人は一生想い続ける。
想い合ってしまう。
それを感じたときに、わたしにもう勝ち目はないと思いました。
毎日のように会えて、8時間一緒に過ごして
想い合ってる2人。
わたしに入る隙間など、もうなかった。
『付き合っているけれど、違う人を想われているツラさ』か、
『別れて翔太がいない人生を歩むツラさ』
これをずっと天秤にかけていました。
当初は、前者が勝っていたからわたしは翔太と別れることは頑なに拒んでいたけれど
次第に後者が勝り始めました。
翔太とあ~ちゃんが付き合えばいい。
そして、翔太と付き合っていくことの難しさを思い知れば良いんだ!って思いました。
翔太は先に書いたように、かっこいいし優しいしおもしろいし、外面(そとづら)は抜群です。
だからモテます。
だけど、深く関わると、これがまたすごく大変なのです。
みんな知らんだけ。めっちゃ大変やから!って、翔太のことを想う女子に対して、いつも思っていました。
あ~ちゃんではまず支えきれない、とわたしは感じていました。
でも、だからこそ思い知るがいい!って思いました。
そして、「ツラすぎる」というメールがきた翌日、翔太と終わることを決意したわたしは
「今から荷物全部取りにいくから」と、別れることを暗に示して翔太の家に行きました。
そして、翔太も最後の一言を口にしました。
「鍵、返して。」
涙が止まらなかった。
【1秒だけの着信】へ続く。
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